男にとって唇はとても重要な器官だ。
なぜなら世の中の婦女子のまなざしが向けられるからである。
常に、
「あの唇があたしの肌に触れるかもしれない」
という目で見られているのである。たぶん。というか希望。
そんな唇にヘルペスなんてできたら、いろいろな可能性が潰えてしまう。
見た目も悪いし、何より感染る。
誰も近寄って来るわけがない。
一夜限りの関係なんて夢のまた夢。
ていうか、そもそもヘルペスが出来るってことは
体が弱って免疫機能が正常に働いていないっていうことだから、
火遊びなんてしてる場合じゃないんですけど。
前置きはこれくらいにしておこう。
実は私ともあろう者が、出来てしまったのだ。
ヘルペスが。
下唇のど真ん中に。
結構な大きさで。
気がついたのは夕飯のとき。
「こりゃやべぇ!」
と思って時計を見ると21時を少しまわったところ。
近所のドラッグストアなら22時までやってるはず。
急いで愛車のLifeに飛び乗り、時速50kmでぶっ飛ばす。
5分ほどでツ○ハに到着。
とりあえず落ち着いて会員カードを取り出し、
入り口付近にある機械でくじを引く。
結果は大当たり。
商品10%OFF。
「よっしゃ!やったぜっっっ!!」
と心の中で叫びながら脳内でスキップ。
店内を物色すること10分。
・・・・・・ない。
ヘルペスの薬が無い!
一応家を出る前にネットで薬の名前を調べていったのだが。
無いものは無い。
仕方がないので店員に「ヘルペスの薬をおくれ」、と言ってみる。
そしたらなんと、なななななんとなんと、
「ヘルペスの薬は薬剤師が居ないので販売できません。」
と来たもんだ!
なめてやがる!!
きっと心の中で
「ざ~んねんでした、このヘルペス野郎!」
とか思ってるに違いない!
「許すまじ!マジ許す!」
と、脳内でわけのわからないことをリフレイン。
だが、取り乱した様子は見せずにその場を後にした。
さてどうしたものか。
この店舗は薬剤師が居ないショボい店舗だったみたいだし、
もう一軒はしごしてみるか~。
というわけで時速60kmで愛車を駆る。
ちょっと時間なくなってきたからさっきよりも速めで。
5分ほどで蒸着。いや、到着。
一応店舗入口の機械でまたカードをかざしてみる。
・・・・・・もう本日分はくじをやったことになっている。
店舗ごとじゃないんだな。
おっと、そんなことしてる場合じゃなかった。
今度は速攻で店員の元へかけつけ、
「ヘルペスの薬を所望す。」
と言ってみる。
そしたら、なんて言ったと思う?
「ヘルペスの薬は薬剤師が居ないので販売できません。」
またかよ!
セリフもそっくりそのまま同じかよ!
しかし平静を装ってこう聞いてみた。
「ツ○ハさんはどこの店舗に行っても薬剤師さんはいらっしゃらないのですか?」
それに対する返答はこうきた。
「あ~、薬剤師さんは17時から18時くらいに帰っちゃうんですよね。」
「あと、土日とかも居ないですね。」
くぁ~!!
普通にビジネスタイムしか居ないのかよ!
定時で帰る連中なのかよ!
客商売なのに土日の週休二日制なのかよ!
まぁ、でも仕方あるまい。
カラクリがわかっただけでも良しとしよう。
あきらめてネット通販で買うか・・・と思った矢先。
「薬剤師さんが居ないときはこちらをお勧めしています。」
と代替品を案内してくれたのだ。
代替品の名は
ドルマイコーチ軟膏。
化膿を伴う湿疹、皮膚炎、毛のう炎などに、と書かれている。
ヘルペスなんて単語はどこにも書かれていないため、
素人にはこれをチョイスすることは出来ないだろう。
何はともあれ助かった。
これを使えば後でヘルペス用の薬にわざわざ切り替える必要もないとのこと。
喜び勇んで購入した。
さっきの店舗で発券した10%OFF券をしれっと出したけど、
普通に割引してくれたし。
ツ○ハ最高!!
というわけで10%OFFで814円で購入できました。
めでたしめでたし。
後日談。
ドルマイコーチ軟膏は毎食後に唇を拭いてから塗り塗り。
二日目くらいでヘルペスがかさぶたに。
1週間経つ頃には綺麗サッパリ消滅しましたとさ。
しかし、事前にこの薬で代用できると知っていたら、
やっぱりネットで買いたかったなぁ。
送料との兼ね合いもあるけど、ネットだとめっちゃ安い。
アマゾンなら他のものと一緒に買って2000円以上になれば送料無料だし~(>_<)